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祭りばやしと金魚すくい

【ショートストーリー】
2人は幼馴染で、高校生。
普段から仲が良く、じゃのめは明るく社交的だが、カルマは比較的無口で不愛想。
しかしじゃのめのお願いには弱いので、頼まれると素直に聞いてくれる。

今年の夏は二人で着物を着て近所の夏祭りに遊びに来た。
そこでカルマは、じゃのめおねだりで金魚すくいに挑むことになった。

このイラストは、金魚の視点で見た二人の様子である。
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「ねぇカルマ、あたしのために、金魚すくってくれるでしょ？」
じゃのめが、うちわで頬をあおぎながらいたずらっぽく笑う。

「……ったく。お前がそう言うと断れねぇんだよな。」
カルマは少し照れくさそうにポイを手に取ると、水面をじっと見つめた。

水の中から見上げると、彼の真剣な顔と、隣で頬杖ついて見守るじゃのめの笑顔が並んで映っている。
まるで金魚たちにとっても、この夜の主役はふたりみたいだ。

「がんばって～。あっ、そっちの子すごく元気だよ！」
「分かってる。…よし、次で決める。」

花火の音にかき消されそうなほど小さく、でも確かに鼓動が弾んでいる。
それはきっと、金魚じゃなくて彼女のためにすくうという、この一瞬のせい。

――ふっとポイが水を切り、小さな赤い影がふわりとすくい上げられる。
「やったじゃん！…ね、カルマ、ちょっとカッコよかったかも。」
「……ちょっとだけ、な。」

水面に浮かぶふたりの笑顔は、夏祭りの灯りよりもまぶしく輝いていた。

--end--
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このイラストは、CryptoNinjaオンリーイベント「にんケット」開催に向けたクラウドファンディングに提供したNFTアートです。
著作権は制作者（kishino）に帰属します。

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